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相続対策の切り札 資産承継型信託(受益者連続型信託)

一般的に、法定相続とは異なる形での財産承継を行う場合には「生前贈与」や「遺言」を利用するのが通例です。しかし、生前贈与や遺言の場合、ある程度の承継者の指定はできますが、いったん有効に贈与・遺贈された財産の次の承継者、さらに次の承継までは指定することはできません。  
この点、民事信託を活用すれば、現行民法で無効とされる数次相続における財産承継者の指定が可能となり、ご本人の意思で財産承継の流れを作り上げることが可能となります(このような信託を受益者連続型信託といいます)。
Aさん一家を例に具体的に見ていきましょう。


Case30 自分の死後の相続についても承継者を指定したい場合

Aさん一家
Aさんには、後妻Bさんと、前妻との間の子Cさんがいます。 Aさんは、自分の死後、後妻Bさんが何不自由なく暮らせるよう財産を後妻に残したいが、後妻の死後は前妻との子Cさんに財産を引き継がせたいと思っています。


法定相続分で財産を分割した場合 遺言の場合
法定相続分で財産を分割した場合

法定相続に従い、Aさんの遺産である自宅不動産を分配した場合、後妻Bさん1/2、前妻との子Cさん1/2の共有となります。その後、Bさんが死亡すると、Bさんの持ち分1/2は、Bさんの相続人である兄弟姉妹が引き継ぐことになり、不動産の権利関係が複雑になります。 (法定相続についてはこちら)
Aさんが「自宅不動産を後妻Bさんに相続させ、Bさんの死後は前妻との子Cさんに承継させる」旨の遺言を残した場合はどうでしょうか。
 この場合、後妻Bさんに相続させることはできますが、Cさんへの相続については無効とされます。その結果、Bさんが、Aさんから相続した自宅不動産をCさんへ遺贈する旨の遺言を残さなかった場合には、Bさんの死後、当該不動産は、Bさんの兄弟姉妹が相続することとなり、Cさんに承継させたいとするAさんの願いを実現させることはできません。
【Cさんの採りうる方法】
CさんがAさんの財産を相続するにはBさんに遺留分減殺請求を行うことが考えられます。 (遺留分減殺請求についてはこちら)

解決策Aは公正証書遺言において、子Cに遺留分相当の金銭を相続させることとし、Cに相続させる財産以外の遺産をすべて信託財産とする信託を設定します。この信託の設定の中で、委託者をA、受益者をB、委託者を信頼できる甥Dとし、Bの死亡により信託が終了するように定め、残余財産の帰属権利者としてCを指定しておきます。こうすることで、自宅不動産は確実にA→B→Cへと承継され、Aの願いは実現可能となります。 ※信頼できる親族がいない場合は司法書士等の専門家を受託者として設定することも可能です。


相続対策としての民事信託のメリット

1.財産承継者を何世代にも亘って指定できる(期間制限あり)

2.完全オーダーメイドなので、家庭の事情に即して財産を承継させることができる

3.分割受け渡しが可能なので、通常の相続のように財産を一度に浪費してしまう リスクがない

4.預貯金などは相続が発生すると口座が凍結され、相続人への払戻に時間がかかるが、信託では相続が発生しても、これまで通りの財産管理を継続することができる

5.不動産強化のリスクを回避することができる

6.法定相続人以外の者にも財産を承継させることができる


受益者連続型信託設定の留意点

①他の相続人の遺留分に配慮する
遺留分とは、兄弟姉妹を除く法定相続人が最低限相続できる財産のことをいいます (遺留分についてはこちら)。信託による受益権の承継は、民法上の遺留分規定の適用を排除するものではありません。そのため他の相続人の遺留分を侵害するような信託の設定は当然に遺留分減殺請求の対象となりますので、信託設定に際しては遺留分に配慮する必要があります。

【信託と遺留分について】

遺留分相続人は子Cさん、Dさんの2人というBさん一家を例に見ていきます。
Bさんに相続が発生した場合、法定相続分は子C,Dさん各1/2ずつとなり、その遺留分はC、Dさん各1/4ずつとなります。 Bさんが、第1受益者をCさん、第2受益者を孫Eさんとする信託を設定する遺言を残していたとします。この場合、子DさんはCさんに対し遺産の1/4を自身の遺留分として渡すよう請求することができます(これを遺留分減殺請求といいます)。
Dさんが遺留分減殺請求を行うと、受益権の1/4はDさんのものとなり、CさんはDさんの遺留分を減じた残りの3/4の受益権しか取得することができなくなります。そのため、信託を設定する際には、他の相続人の遺留分相当額を除く財産を信託財産とするなど予め、遺留分に配慮した設計を施すことが必要となります。

【遺留分と民事信託Q&A】

Q DさんはEさんに対しても遺留分減殺請求をすることができるでしょうか。
遺留分減殺請求の可否A この点、第2受益者たるEさんが受益権を取得するのは、第1受益者Cさんの死亡時ではありますが、第2受益者は第1受益者から受益権を承継取得するのではなく、委託者から直接承継取得すると考えられていることから、遺留分減殺請求権を行使できるのは、委託者の死亡時だけと解されています。  したがってDさんの遺留分減殺請求権は、委託者Aさんが死亡して、第1受益者のCさんが受益権を取得した段階でのみ認められ、それ以降については認められていないので、DさんはEさんに対し、遺留分減殺請求権を行使することはできません。


②信託の存続期間に制限がある
受益者連続型信託の場合には信託期間の制限があり、信託開始から30年を経過した後は、新たな承継は一度しか認められません。

資産承継型信託の存続期間

③受益権の移転に伴い相続税の課税対象となる
課税法上は、第1受益者は委託者の死により、第2受益者は第1受益者の死により、それぞれ遺贈により受益権を取得したとみなされるので、受益権の移転時に相続税が課税されることになります。そのため、信託スキームには節税対策としての有効性はなく、あくまでも、誰の為に財産を承継するか、すなわち財産承継に重点をおいた相続対策として活用が期待されるツールです。


民事信託Q&A

Q 受託者が信託財産である不動産を勝手に売却した場合はどうなりますか?
A 受託者が、信託契約に定められた権限の範囲を越えて、信託財産である不動産を売却した場合、取引の相手方(買主)が、受託者に売却権限がないことを知っていた、もしくは注意を払えば知ることができた場合(悪意重過失といいます)には、その売買契約を取り消すことができます。この点、信託財産となった不動産の登記簿には必ず信託目録が作られ、その中に信託の目的や受託者の権限等が記載され、公示されることになっていますので、これにより取引の相手方は、受託者の権限の範囲を知る事ができ、仮にその確認を怠れば重大な過失があったものとみなされ得ます。また信託の目的に反する登記が申請された場合には受理されませんので、信託目的の設定に際し、受託者に売却権限がない旨を記載しておくことで、将来の紛争を未然に防ぐことができます。

Q 遺言で信託を設定する場合、信託財産を「死亡時に所有する全ての財産」として設定することはできますか?
A 設定時に信託財産は特定されていなければなりませんが、金銭などは当然に増減があり、死亡時の金額を正確に割り出すことは不可能です。そこで、公正証書遺言の作成時に委託者が保有している財産を個別的に掲記し、「これらを含む委託者が死亡時に所有する全ての財産」とすれば、特定性はクリアできるといえます。

Q 受託者を解任するにはどうしたらいいですか?
A 委託者と受益者の合意があれば、いつでも受託者を解任することができます。また、受託者がその任務に反して信託財産に著しい損害を与えた等、重要な事由があれば、委託者または受益者は裁判所に解任請求をすることができます。 受託者を解任する場合には、委託者と受益者の合意(委託者が亡くなっている場合には受益者)により新たに受託者を選任する必要があります。


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